平成15年、松阪市中川新町で保険・金融コンサルティング会社「ファーラウト」を創業し、同27年に四日市市安島に本社を移転した。現在は、県内5店舗と東京、大阪、鹿児島に支社を置き、社員50人余が生保・損保、住宅ローン、証券仲介などの金融サービスをワンストップで提供して業績を伸ばしている。
介護に特化した新しい保険サービス「介護110番」をグループ会社「ジャパンヘルスケア」=東京都=と開発し、今年2月から全国で販売を展開している。施設入所中の高齢者や車椅子利用者、認知症患者の事故や物品の破損、誤って他の入所者にけがを負わせてしまった場合などの賠償責任補償と弁護士相談、医療相談サポートを備え、入所者とその家族の安心を支える保険として注目を集めている。
松阪市で3人きょうだいの長男として生まれた。幼い頃から自立心旺盛で、夢は社長になることだった。中学生になってからは新聞配達や飲食店でアルバイトをして、親からお小遣いをもらうことは一度もなかった。県立高校卒業後、和歌山県新宮市のマグロ卸・販売会社に入社。営業担当としてトップクラスの成績を上げていたが、4年後、独立起業への思いが強くなり、具体的な将来設計もなく退社を決意した。
その後、偶然手にしたチラシの「開業資金ゼロ!保険代理店募集」の言葉に心引かれた。面接担当者に「23歳では若すぎるのでは」と断られそうになったが引き下がらず、保険について独学で学んで資格を取得し、保険代理店を開業した。
前職で培った営業力を生かし、夢中で飛び込み営業を続け、徐々に成績を伸ばした。開業から4年目、大型ショッピングセンター内に保険見直し相談ショップ出店の機会を得た。
買い物のついでに気軽に立ち寄ってくれる顧客が飛躍的に増えたことが転機となり、多様なニーズへの対応と、より質の高いサービスを提供するため、生保・損保、資産管理・運用、住宅ローン、財務コンサルティングなどの専任社員を増やし、各地に支社を増設してきた。現在は国内約40社の生保・損保、証券会社等の金融商品を個人・法人双方に提案型販売をしている。
妻(39)と長男(9つ)、長女(6つ)の4人家族。「普段は子どもたちの寝顔しか見られない日が多いが、たまの休日には公園で遊んだり、外食を楽しんだりしています。子育ても家事も任せっきりの妻には感謝しかない」と話す。
世界各国で活躍する知人らの姿に刺激を受け、自身で考えた座右の銘は「挑戦に上限と国境はない」―。いつか海外で事業を展開できたらと意欲を燃やしている。
資産形成やリスク管理など、多くの情報から自己責任において選択が必要な時代。「単に金融機関の代理としてではなく、顧客1人1人に寄り添い、さまざまな金融サービスやコンサルティングを行うプロ集団として、多くの人を幸せにすることを追求していきたい」と熱く語った。
略歴: 昭和54年生まれ。平成9年県立高校卒業。同年マグロ卸・販売会社入社。同15年「ファーラウト」創業。同29年東京青年会議所入会。