鈴鹿市算所の「SMG(スガワラマネジメントグループ)菅原経営」は平成24年、同市南江島町で創業した「リクストコンサルティング」本社と名古屋支社が前身。翌25年に社名変更し、新たに東京と大阪に支社を開設した。その後、名古屋に本社を移し、三重、東京、大阪3支社の社員19人と共に全国に顧客を増やしている。
同社は財務コンサルティングとセミナーを開催するSMG菅原経営、SMG税理士事務所、SMG社会保険労務士法人の3組織で業務を展開。中小企業の課題解決に向けた経営戦略や業務改善を提案するプロ集団として信頼と実績を積み上げ、北は北海道から南は福岡まで150社余の顧客を有している。
起業前から発信しているブログ「菅原由一の経営のヒント」は、税理士人気ブログランキング1位に輝いた。また、平成30年に発刊した著書「究極の資金繰り」は、発売直後にアマゾン・経理アカウンティング部門で1位を獲得、カリスマ経営コンサルタントとして人気を博している。
月に40社ほどを訪問する傍ら、「究極の資金繰り」や「税務調査の裏側」などをテーマに、各地で週1回開講するセミナーの講師を務めている。これまで受講者は延べ6千人余に上り、「銀行から融資が下りて倒産を免れた」「国から補助金が受けられた」と感謝の声が届く。「それぞれの業種の経営者にとって最も有益な情報を伝え、企業競争を生き抜いていってもらいたい」と話す。
鈴鹿市矢橋で税理士事務所を営む父武さん(77)と婦人服店主の母昌子さん(76)の下、2人きょうだいの長男として生まれた。幼少時は、忙しい両親に代わって祖父母がかわいがってくれた。漫画「キャプテン翼」に憧れて小2からサッカー少年団に入り、中3までサッカーに打ち込んだ。
鈴鹿高校に進学。入学後に進学コース生はクラブ活動ができないことを知らされて落ち込んだ。大好きなサッカー以外やりたいことを見つけられず、不完全燃焼のまま3年間を過ごし、大学受験に失敗してしまった。目標を持てなかった時、小学校の卒業文集に「1番の夢はプロサッカー選手、2番が税理士(父の職業)」と記したことを思い出した。
今からでも税理士を目指せると心機一転、名古屋市の大原簿記専門学校(4年制)に通い始め、寝る間を惜しんで机に向かった。2年目から税理士試験に挑戦、父の事務所を手伝いながら受験を続け28歳で合格を果たした。「人生で一番真剣に勉強した10年間だった。大学に進んだ友人たちへの劣等感がエネルギーになった」と振り返る。
30歳からセミナーの講師を務め、回を重ねるごとに、受講者1人1人に自分の言葉で丁寧に話しかける講義が支持され、口コミで受講希望者が増えた。36歳で共同代表だった父の事務所から独立起業し、各地の顧客に対応できるよう愛知をはじめ、東京、大阪にも支社を開設した。
妻と中1の長女、小2の長男の4人家族。出張が多く、普段は子どもたちと接する機会が少ないが、休日や夏冬の休みには家族で過ごす。「今はヒップホップダンサーを目指す2人の夢を妻と応援しています」と話す。
「社員が仕事を生きがいと感じられるような職場環境づくりに務め、全ての顧客を黒字化にできるよう、どこよりも質の高い経営コンサルティング会社にしたい」と目を輝かせた。
略歴: 昭和50年生まれ。平成5年私立鈴鹿高校卒業。同13年「菅原会計事務所」入社。同17年税理士資格取得。同24年「菅原経営」創業。同30年著書「究極の資金繰り」発刊。