-多様なジャンルに応える 自社ブランド商品の取り組みも-  遊技機企画・開発デザイン「shanti」、雑貨企画デザイン・販売「Chanti」 社長 西川友絵さん

【「将来的には自社ブランド商品の開発、販売を目指したい」と話す西川さん=四日市市安島で】

四日市市安島のじばさん三重3階にオフィスを構える遊技機企画・開発デザイン「shanti(シャンティ)」は、平成22年に創業した。パチンコやパチスロメーカーからの依頼で、5人のクリエーターがより高いゲーム性や仕掛けを追求した遊技機盤面のデザインを手掛けている。

平成28年には、シャンティで培ったノウハウを生かし、新たに雑貨企画デザイン・販売の「Chanti(キャンティ)」を設立。工業用品やアパレル、生活雑貨など、さまざまなジャンルの要望にも応えられるデザインの考案や自社ブランド商品の開発と販売にも力を入れ、事業の多角化を目指している。

名古屋市で兄と2人きょうだいの長女として生まれ、5歳の時に四日市市に移り住んだ。幼少期は、2歳半から始めたバレエを優雅に舞う一面と、男の子とチャンバラごっこに興じるおてんばな一面を併せ持っていた。中1で英国へのバレエ公演旅行に参加し、全国コンクールや国際コンクールにも出場するなど、両親の期待を一身に受けていた。

バレエは高3まで15年間続けたが、武蔵野美大出身の担任教諭から絵と工作の才能を見い出され、美大進学を勧められた。「バレエより美術の道に進みたい」という娘の決断に、父母は戸惑いながらも応援を約束してくれた。

大阪芸大に進学して絵画と造形を学び、卒業後は教授の助手として授業のサポートをする傍ら、造形職人の見習いアルバイトに励んだ。USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のモニュメント制作に携わる機会にも恵まれた。

26歳で名古屋市の企画デザイン会社に就職し、パチンコ盤面のグラフィック・デザインを担当した。キャラクターの動きや光り方の工夫など、独自に考案したデザインがコンペで勝ち残ると、試作にも関わるなど、数多くの経験を重ねた。「全国のホールに並ぶヒット商品を生み出した時の達成感は、何にも代え難い喜びだった」と話す。

平成22年、30歳で独立を決意して4年半勤務した企画デザイン会社を退社した。四日市市栄町の自宅を事務所に、たった1人でメーカーからの受注を夢中でこなし、気付くと朝だったこともたびたびだったという。「バレエで養った忍耐力と失敗を恐れないチャレンジ精神が、仕事に生かされたのかも」と創業当時を振り返る。

3年ほどで仕事を軌道に乗せることができ、共に働いてくれる優秀な人材を社員に迎えて平成25年、株式会社「シャンティ」を設立した。同28年には、新たな分野を開拓する「キャンティ」株式会社を設立した。

「シャンティの基盤を崩すことなく応用技術を駆使して実績を重ね、将来的には自社ブランド商品の開発、販売を目指したい」と目を輝かせた。

略歴: 昭和54年愛知県生まれ。平成14年大阪芸術大学美術学科卒業。同18年株式会社森創入社。同22年シャンティ創業。同26年四日市青年会議所入会。同28年キャンティ設立。