地域企業を元気に 休日は妻と寺社巡り おかざき行政書士・社会保険労務士事務所所長 岡嵜佳男さん

「今後は、経験から学んだこと、仕事の楽しさを若い人に伝え、地域の企業をより一層元気にしていきたい」と話す岡嵜さん=四日市市西新地のおかざき行政書士・社会保険労務士事務所で

 四日市市西新地のおかざき行政書士・社会保険労務士事務所は、平成18年に菰野町竹成の自宅で行政書士事務所として創業。翌19年に取得した社会保険労務士資格も加えて、今春、同所に移転した。

 「社長のウォンツを叶える」をモットーに、北勢地区を中心に約50社の中小企業経営者の相談に応じている。経営者らの要望に添って、事業展開や相続、年金、従業員のための就業規則、給与体系づくりなどを手掛けている。

 大阪市で、2人兄弟の次男として生まれた。何事にも慎重な兄とは対照的に、幼少時は好奇心旺盛で、工事現場で遊んでいて足に鉄筋が刺さるなど、毎年のように大きなけがをしては両親を心配させていた。中学ではサッカーに打ち込み、3年の時には、地区予選を勝ち上がって都市対抗試合に出場した。

 都島工業高校卒業後は建設企業に就職したが、仕事になじめず1年余りで退社した。以後、道路にラインを引く道路標示業や運送業など数社で勤務した。30歳の時、舗装業を営んでいた父圭太郎さん(79)が三重県で運送会社を起業することになり、家族4人で川越町に移り住み、トラック運転手として父を手伝い始めた。

 (33)歳の時、首から下がまひする原因不明の病気を発症した。1カ月の入院生活でまひは改善したが、トラックの運転には不安が残り、リハビリ期間中は車両部品製造会社で働くようになった。そんな時、祖母から「あんたには法律系の仕事が向いている気がする。人のためになることをしたら」と言われ、一念発起した。

 手始めに、取得するために年齢制限や現有資格などの制限もなく、法律資格を目指す人がまず受けると言われている「宅地建物取引士」に挑戦。参考書を買い込み、猛勉強して資格を取得し、税理士事務所に就職した。勤務の傍ら、2年後には行政書士の資格を得て、(43)歳で独立を決意した。

 独立後、ある企業経営者から働きやすい環境づくりと給与体系の相談を受けた。従業員らを交えて話し合い、繁忙期と閑散期の残業代の収入差をなくして定額にし、それ以上の残業がある場合はプラスにするという提案をした。「経費の平均化で経営が安定し、社員との信頼関係が深まった」「給料が安定して、安心して働けるようになった」と、社長にも従業員にも喜んでもらえた。

 休日は、妻美鈴さんと共にお伊勢参りや京都の寺社巡りを楽しみ、2年に1度は海外旅行に出掛けて気持ちをリセットする。1番の理解者である妻への感謝と頑張った自分へのご褒美、明日の仕事への活力になっている。

 「独立から(10)年、出会いが出会いを生み出し、仕事の幅も大きく広がってきたことに感謝。今後は、経験から学んだこと、仕事の楽しさを若い人に伝え、地域の企業をより一層元気にしていきたい」と、意気込みを語った。

略歴:昭和38年大阪市生まれ。同57年市立都島工業高校土木科卒業。平成18年おかざき行政書士事務所開設。同19年おかざき社会保険労務士事務所開設。同22年県行政書士会理事就任。同27年同会四日市支部長兼理事就任。同年県社労士会北勢支部長兼理事就任。