ラジオDJ経て創業 出張ウエディングで幸せ追究 ブライダル&イベントプロデュース「ユニバーサルシンク」社長 福田陽介さん

「お客さまと従業員両方の幸せを追求していきたい」と語る福田さん=四日市市栄町で

 四日市市栄町の「ユニバーサルシンク」は平成23、同市伊坂町でスタートした。ブライダルプロデュースと企業対象のイベント、広告代理店の3本柱で事業を軌道に乗せ、同25年に株式会社に移行し、栄町に事務所を構えた。

 「お客さまの期待を超える満足を」を目標に、現在スタッフ30人が、結婚式の二次会の幹事代行や海外挙式のプロデュースを手掛けている。また、大型ショッピングセンターやハウジングセンターなどの集客イベントの企画・運営、店舗の看板作成やホームページ作りもこなし、県内を中心に事業を拡大している。

 挙式と披露宴を結婚式場でというこれまでの傾向から、結婚披露パーティーは、新郎新婦の個性を生かした演出で、親族や知人、友人に祝ってもらうのが最近のトレンドになっている。2人の希望に添ったパーティー会場の手配から、当日の司会進行、BGM、写真撮影、2人の生い立ち映像の編集、ウェルカムボード作成などをコーディネートする。

 伊坂町で、2人きょうだいの長男として生まれた。幼いころから好奇心旺盛で、大工職人だった祖父やサッカー選手に憧れていた。高校生になってからは、通学途中で聞いていたラジオのDJ(ディスクジョッキー)という仕事に魅了された。英語力が必要になると考え、卒業後は海外留学の資金をためるため建設会社で2年間働いた。

 20歳の時、オーストラリアに1年間留学し、レストランの皿洗いなどをしながら語学学校に通った。英語をしっかりと身につけるため、誰にでも積極的にしゃべりかけた。パスポートや財布をバッグごと盗まれ、大変な経験もしたが「決断力と責任感、感謝の心を養えた、中身の濃い1年間だった」と振り返る。

 帰国後、地元ラジオ局に就職した。バイトから正社員になり、週1回、1時間枠で好きなジャンルの音楽を紹介する番組を任され、憧れだったDJになる夢をかなえた。DJの傍ら、休日に友人の結婚式の幹事や音響の仕事をこなすようになり、参加者の反響を肌で感じられる仕事に魅力を感じ始めた。「この世界で独立したい」と、26歳でラジオ局を退社して、ユニバーサルシンクを創業した。

 ハート形のカラフルなバルーンや花々で飾った会場、華やかなウェディングケーキ、ゲストへのサプライズプレゼントなど、スタッフと共に心を込め、2人のイメージを形にしたオーダーメードのパーティーを演出する。「少ない予算でこんなに豪華なパーティーができるなんて」や「次は大切な友だちを紹介しますね」と喜んでもらうたびに、この仕事にやりがいを感じる。

 仕事が忙しく、妻友里恵さんと1歳半になる一粒種の桜涼君と過ごす時間が少ないのが悩み。「お風呂に入れて、寝かしつけるひとときが最高に幸せ。よく笑い、よく食べ、日々成長する姿が仕事への活力になる」と目を細める。

 「時代に伴って変化するブライダル業界において、常に最新の情報をキャッチしながら、会場を持たないわが社ならではの出張ウエディングを強みとして、お客さまと従業員両方の幸せを追求していきたい」と笑顔で語った。

略歴:昭和59年生まれ。平成15年県立四郷高校卒業。同17年―18年オーストラリア留学。同19年FM四日市入社。同23年ユニバーサルシンク創業。