「仕事が趣味、喜び」 学力向上へ日々努力 ネオ代表取締役 森下一也さん

「今の目標は上場すること」と話す森下代表取締役=菰野町のネオで

 菰野町の「ネオ」は、インターネットで全国的に仮設資材の販売、買い取りをするサイト「あしばバンク」を運営している。関連会社として、ホームページを制作する「ジーク」=四日市市鵜の森1丁目=がある。

 「やんちゃな子どもだった。鉄棒が好きで、連続回転とかも得意。英語は苦手だったけど、数学は好きだった」と楽しげに振り返る。

 「昔から物を売るのが好きだった」という。化粧品会社や広告代理店の営業などで好成績を収めてきたが、23歳の時に足場工事業の存在を知った。「結婚を考えていたので、とにかく給料が高いところで働きたかった」ため、営業からあっさりと方向転換。4年ほどは現場で足場を組む仕事に励んだが、消費税が3%から5%に上がって売り上げが激減。収入も減少した。

 26歳で7歳年下の美枝さんと結婚し、翌年には家も新築した。「これではいけない」と一念発起し、28歳の時にイチかバチかの思いで、足場工事業での独立を決意した。

 ゼロからのスタートだったが、営業力を生かし、10年ほどかけて業績を伸ばしてきた。営業のこつは「1番は、断られることに不安がないこと」と話す。「断られるのを前提で、何度も顔を出せば、タイミングが合えばうまくいく。何でも確率の問題」と語る。

 リーマン・ショックをきっかけに平成21年には足場事業から撤退した。「他がまねできないことをやろう」と、インターネットでの販売に転進し、残った資材をインターネットで販売する手法が当たった。「インターネットの足場販売では日本一だと思う」と自負する。

 「IT技術を活用し、インターネットだけで事業が成り立つビジネスモデルをつくりたい」という長年の思いが形になり、成功を収めたが、「1番であり続けなければいけないので、気が抜けない」。世の中の動きを敏感にキャッチできるようアンテナを高く持つ。

 「仕事が趣味。生きがいでもあり、喜びでもある」と話し、「サッカー選手と同じで、自分は経営選手。サッカー選手がサッカーの練習をするように、経営選手として日々、経営力の向上に努めるだけ」と楽しげに笑う。

 自身の性格を、「曲がったことが嫌いで、負けず嫌い。直感で動くことが多く、失敗してもいい方向に考えるタイプ」と分析する。

 「今の夢は、3年から5年後くらいをめどに、上場すること。それ以外はない」と言い切った。

略歴:昭和45年生まれ。四日市市出身。平成10年ネオ信和サービス(現ネオ)設立、代表就任。22年ジーク設立、代表取締役就任。