─香りで生活に潤いを─ 「アロマとハーブのお教室まるふたつ」代表の上之郷円さん

【「地元産業の発展に貢献できたら最高に幸せです」と話す上之郷さん=四日市市水沢町で】

四日市市水沢町の「アロマとハーブのお教室まるふたつ」は、平成17年に「アロマ香房Kanori」の名称で創設した。個人宅やカフェなどを借りて「アロマ教室」を開講し、同30年に現在名に変更。コロナ禍で出張教室が困難になり、令和3年からは自宅アトリエを中心に教室を開いている。

受講者らは「アロマクラフト」「ハーブクラフト」と「かんなくずのアロマリース」の3つから、それぞれ興味があるクラスを選んで楽しく学んでいる。

「アロマクラフト」クラスを選択した生徒たちは、季節に合ったアロマコスメの作り方を学ぶ。好みの精油(エッセンシャルオイル)を使って初夏からは日焼け止めや虫除けスプレー、秋冬は乾燥対策の保湿クリームなどを作る。ハーブに興味がある生徒は、約30種のハーブを調合して自分だけのオリジナルハーブティーやハーブの香りを楽しめる枕、部屋に飾るインテリア小物などを作成する。

「かんなくずのリース」では、県産ヒノキやスギなどのかんなくずをリース状に整え、かんなくずで形作った花を飾る。自然の木の風合いを楽しんだり、好みの色に染色して香りを添えたりして楽しむ。

建材店でかんなくずを見て、何か形にできないかと考えた末に思いついた。「廃材が美しいリースに大変身するのが魅力、SDGsにも貢献できる。三重を訪れる外国人観光客にも体験を勧め、香りの思い出をお土産にしてもらいたい」と話す。

また、国際的に活躍する花匠で「こもの花苑」=菰野町=の佐々木直喜オーナーの勧めで、同店で月1回「花とアロマの教室」を開講しており、口コミで受講者が増えている。

「香りに力をもらえる」「ハーブティーで気分をリセットできる」、「自分だけのリースに癒やされる」など、受講者らの声がうれしい。「香りは美しさとともに、生活に潤いを与えてくれる。もっと喜んでいただける物をと常に考えている」という。

水沢町で2人姉妹の長女として生まれ育った。愛知県の大学を卒業後、四日市の車両メーカーに入社し、事務仕事に6年間携わった。妊娠をきっかけに退社して、育児に専念するようになった。

32歳の時、友人に誘われて「アロマ教室」に参加したことをきっかけに、香りが人に与える作用に興味が湧き、もっと学んでみたいと「アロマスクール」に通うようになった。1年後にアロマコーディネーターの資格を得てカフェやレンタルルームなどで少人数の教室を開き始めた。

5年後にはアロマインストラクターの資格を取得。その後「介護アロマ三重サークル」を結成して、介護アロマセラピストとして四日市と菰野地区の高齢者施設などで入所者らにハンドトリートメントやマッサージをするボランティア活動も始めた。

「かぶせ茶の産地水沢がふるさと。緑茶とハーブをブレンドしたオリジナルティーを開発して、地元産業の発展に貢献できたら幸せです」と意欲を語った。

略歴:昭和46年生まれ。平成6年愛知県の大学卒業。同年車両メーカー入社。同17年「アロマ香房Kanori」創業。同30年「まるふたつ」屋号変更。同年「介護アロマ三重サークル」結成。

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