―地元JFLチームを支援―  総合美容サロン「Leap hair」「BOA SORTE」代表 南部剛志さん

【「皆さんに満足してもらえる店にしていきたい」と話す南部さん=鈴鹿市中江島町で】

美容師として18年間の経験を経て平成30年、三重県鈴鹿市中江島町に美容室「リープヘアー」を開業した。令和3年には隣接地に脱毛&ヘッドスパ「ボアソルチ」をオープン。「お客様に笑顔で帰っていただく」ことをモットーに、従業員5人と心を込めた施術をしている。

雑誌やヘアカタログに載っているはやりのスタイルにしたいという要望に応え、毛先の傷みや髪全体のボリュームなどに悩むお客様の問題改善に努めている。また、濃い体毛の悩みには、丁寧なカウンセリングと、肌に優しい光脱毛での施術が好評を得ている。

4年前、地元JFLチーム「鈴鹿アンリミテッド」(旧・鈴鹿ポイントゲッターズ、現・アトレチコ鈴鹿クラブ)からスポンサー要請を受け、Jリーグを目指すチームを支援するようになった。それが縁で、同クラブに所属する選手が訪れるようになった。カウンターには選手らのアクリルスタンドがずらりと並び、壁面にはサイン入りユニホームが展示されている。

アスリートはヘアスタイルにこだわりを持つ人が多く、通ってくるサッカー選手も著名選手と同じ髪型や雨にぬれてもカッコ良く見える髪型、金髪にしたいなど、どんな要望にも本人が満足できるように対応している。6月に再移籍したキングカズこと三浦知良選手も週1回カットとヘッドスパに通っている。

アトレチコの試合はユーチューブで観戦し、選手らの髪型を常にチェックしている。光の当たり具合で金髪がオレンジ色に見える時は、次回のカラー剤の配合を調整している。仲良くなった選手らと食事に行って交流したり、時には悩み相談を受けたりすることもあり、兄のように慕ってもらえるのがうれしいと話す。

鈴鹿市で3人兄弟の長男として生まれた。小5から、父に通わされていた学習塾は、勉強が嫌いだったのでさぼってよく叱られていた。中学時代、テレビでカリスマ美容師を知り、憧れるようになった。卒業後は美容学校に進みたかったが両親に反対され、海星高校に進学した。

高校の3年間は勉学に身が入らず、バイトに明け暮れた。卒業を前に再度、両親に美容師になりたいと頼んだ。それほど強い気持ちならと許してくれ、市内の美容室で研修しながら、津市の旭理容美容専門学校の通信課程で学び始めた。

先輩美容師のように手際よくできずに落ち込むこともあったが、「やり始めたことはやり遂げよ」という高校時代のバイト先のオーナーの言葉を思い出して歯を食いしばった。3年後に美容師資格を取得し、少しずつ自分の技術に自信を持てるようになった。

美容室2店舗で18年間勤めた後、お客様に自分が思い描く美しさと幸せを提供したいと独立、開業した。

妻美智子さん(41)と長男心栄さん(6)次男希灯さん(5)の4人家族。休日は皆で遊園地やプール、食事に出かける。「仕事を理解し、居心地の良い家庭を作ってくれる妻と、日々成長する子どもたちがかけがえのない宝ものです」と話す。
「口コミでお客様の輪がもっともっと広がり、理想のヘアスタイルを提供して皆さんに満足してもらえる店にしていきたい」と目を輝かせた。

略歴:昭和55年生まれ。平成10年海星高校卒業。同13年旭理容美容専門学校通信課程修了。同年美容師資格取得。同30年「リープヘアー」開業。令和3年「ボアソルチ」開業。