―同級生夫婦が二人三脚― スポーツ傷害・女性専門整体「やまけ接骨院」渡邊大祐院長と祥代副院長

【「将来は、増築して一般と女性専科を分離させたい」と話す渡邊さん夫妻=四日市市山分町で】

三重県四日市市山分町の「やまけ接骨院」は平成28年、柔道整復師の渡邊院長が開院。捻挫や打撲、骨折、脱臼、肉離れなど部活動でのけがをメーンに、腰痛、ぎっくり腰、寝違えなどの患者に施術をしている。

3年後、同じ国家資格を持つ祥代さんと結婚。祥代さんは副院長として、女性に特化した産後の骨盤矯正や妊娠中の腰痛などのマタニティ整体、生理痛、更年期障害などの施術を専門に受け持っている。

バスケットボールの引退試合を3週間後に控えた中3の男子生徒が、練習中に捻挫をして来院。手技と電気治療を繰り返し、2週間で回復した。「何としても試合に出たかった。間に合わせてくれてありがとう」と、本人も母親も喜んでくれた。

出張前の荷造りで腰を痛めた40代の男性会社員が来院し、手技と運動療法を組み合わせた施術を行った。3日後、男性は軽快な足取りで訪れ「無事、出張に行けました」と報告してくれた。「患者さんたちの笑顔が何よりの励みであり、ご褒美です」と話す。

生後2カ月の初産の赤ちゃんを抱いて来院した女性は、産後の腰痛と手首の腱鞘(けんしょう)炎など全身の痛みに加え、夜泣きで睡眠不足に陥っていた。骨盤矯正や全身のゆがみを整える手技を施し、2カ月余(全8回)の通院で症状が改善した。女性は明るい表情で「体だけでなく心も楽になった」と感謝してくれた。

「自分も産後の不調に悩んだ経験があるのでよく分かる。皆さんが笑顔で育児ができるよう不調の改善に努めたい」と話す。

院長は四日市で生まれ、中高時代はバレーボールに打ち込み国体選手に選ばれたこともある。練習中のけがを何度も治してくれた接骨院の先生の仕事に憧れるようになった。将来は柔道整復師になろうと、高校卒業後は名古屋市の米田柔整専門学校で3年間学んだ。

柔道整復師の資格を取得後、学生時代に世話になった接骨院で働き始め、4年半後に独立、開業した。

一方、副院長は名古屋市で生まれ、鍼灸(しんきゅう)院を営む父の姿を見て育った。幼少時から患者さんたちにかわいがられ、小学校の卒業文集に「お父さんみたいに人を元気にする仕事がしたい」と書いた。高校卒業後は、柔道整復師になって、鍼灸師の父をサポートしようと決め、市内の米田柔整専門学校に進んだ。

資格取得後は、同専門学校の母体「米田病院」に入社し、リハビリ科で5年間勤務した。東京で開かれた「投球障害」のセミナーで、同じ専門学校で学んだ同級生の大祐さんと再会し2年後に結婚、一緒に仕事をするようになった。

院内は、4台の施術ベッドとウォーターベッドが配置され、中央にはけがの後のリハビリや運動療法をするトレーニングスペースを設けている。筋肉痛やむくみを改善する深部振動低周波を生み出す最新機器も市内初導入している。

2人は「けが防止やパフォーマンスアップに役立つ体の使い方や、女性には不調を予防する正しい育児動作を知っていただきたい。将来は、増築して一般と女性専科を分離したい」と声をそろえた。

略歴:院長 平成2年生まれ。同24年米田柔整専門学校卒業。同年柔道整復師資格取得。同28年「やまけ接骨院」開業。同年県柔道整復師会入会。