「十数年続く下げ相場に打ち勝つには信用取引を利用した空売りしかない」
というような言説をみかけることがあります。
これは真実だろうか?
大竹愼一氏や前田和宣氏は辞めておいたほうが良いと、異口同音におしゃっています。これは儲かる、儲からない以前の人生哲学的な問題があるようです。「白昼堂々、天下の王道を行く」というのが、大丈夫たる者のとるべき道であります。
株を買うということ
株を買うということは一時的にせよ、この会社には見所があると見込んで、投資するわけです。三ヵ月後、あるいは三年後、見込み通りであれば、その間の配当をもらい、値上がり益(キャピタル・ゲイン)を受け取るわけです。その間、会社の経営者が無能であったり、派閥争いばかりしていて、内紛が絶えぬようなら、株主総会でその旨発言することによって、株主権を行使するべきです。 日本が資本主義国であるなら、会社は株主のものであるからです。
神の領域
株が上がった、下がったとニュース・ショー番組でよく取り上げられます。機関投資家が売ったから下がったとか、個人投資家が買ったから上がったなどと報じられます。しかし、実はそれは正しくないのです。売る人と買う人がいるから相場は成り立つわけです。
買い手だけ、売り手だけでは株式相場は成り立ちません。
では、株の上がり下がりは誰が決めているのか?誰も決めることなどできないのです。しいて言えば神の領域でしょう。
だから、空売りは止めたほうがよいという結論になる訳です。背くことになります。
空売りで財をなした有名人は後々、子孫の代までたたると言われます。株下落で財産を失った人々の怨念が乗り移ると言います。1929年のウオール街大暴落の際、空売りで財をなしたケネディ一族の、現在に至るまで続く悲運は有名です。売りの山種と言われた山種証券も整理され、山種美術館も消滅しました。
実利的に考えても、千円の株を空売りしても、千円以上の利幅は取れないのですし、一方、時価千円の株の会社は発展すれば、三千円にも五千円にもなるわけです。
『悠々として財を築く』
の方針で参りましょう。