全国大学ラグビーフットボール選手権大会リーグ戦を見に行ってきました。12月21日です。
早稲田対京都産業大学戦の試合前の選手紹介のアナウンスで、四日市農芸高の名が2回読み上げられました。
早稲田大学1年のバックス今村雄太君と産大4年のフォワード田中謙一君です。
国学院久我山とか桐蔭学園、天理といった名だたる伝統校出身者に伍して、スタメン(先発)で出場してくるのですから大したものです。
「四日市農芸高」とアナウンスされたとき「フーン。へー」
といった軽い驚きの声がスタンドから漏れたようです。
今村雄太は高校代表であり、エリートアカデミーに、高校生としては3人だけ選ばれた逸材でありますが、東京のラグビーフアンには、京都産大の選手のなじみがないため、30人の出場選手中、2人も四日市農芸高の名を呼ばれたわけですから,見巧者の多い関東のフアンがどよめいたしだいです。
試合は開始早々、右のスリー・クオーターバック今村雄太が、ハーフラインから30メーターほど突進し、タックルにもなかなか倒れずに、ボールをつないで、トライに結び付けました。その間5分。速い、強い、体もそこそこ大きい。178センチ・88キロ。
故障に泣かなければ楽しみな期待の星です。おっちゃんくさい19歳です。記者に言わせると、「いかにも三重県人らしい欲のなさ」だそうです。
産大チームが、強豪早稲田に対して、独自のモールを使った泥臭いラグビーで、どう苦しめていくかが見所だったのですが、大観衆にあがったのか、よそ行きのラグビーになってしまいました。それだけ早稲田のディフェンスが良かったのでしょうが。早稲田11トライ、京産大2トライ。67-12
もう一試合、優勝候補の呼び声高い関東学院大学と明治大学の試合も期待はずれでした。スタンドから「明治、前へ」と掛け声が飛び、失笑やら「明治も同情されるようでは」とオールドフアンのつぶやきやらが、後ろの席から聞こえてきました。
前半ワントライのみで、後半も半ばを過ぎてノートライの明治に「メイジ、ワントライ」と大声を出したのは不肖、私でございました。
その甲斐あって、2トライを返したものの焼け石に水でした。フォワードで押すわけでもなし、バックスに回しても、下がっていくばかり。どんなラグビーをするのか、理解不能でした。低迷は長引きそうで残念です。これも関東学院大学が強すぎるのかもしれません。かつての東京教育大学ラグビー部(古くて恐縮)みたいな気がしました。関東学院大7トライ、明治大3トライ。45-25
秩父宮ラグビー場はやはり観客にとって見やすい。スタンドとグラウンドの距離がないからサインプレーの声、肉体がぶつかり合う音が、聞こえてきます。
改修される前の旧秩父宮競技場での、早稲田大学対法政大学の対抗戦グループの試合などを思い出していました。個人的な思い出話などまで持ち出して失礼しました。
試合終了後、近くの六本木ヒルズへ立ち寄りましたら、ビル前広場で合唱団が聖歌を合唱していました。
人だかりと美しい声を背に、広場前にある旧毛利藩邸の庭を残した庭園に座り、ハイテク・クリスマスツリーを眺めていました。この庭で赤穂藩士8名が切腹しているのですね。