大学時代のクラス・メィト、柴生田晴四君が社長をしている週刊東洋経済が、
「新聞・テレビ断末魔 再生か破滅か」2月20日号、という特集を組んで売れたらしいです。
週刊ダイヤモンドと週刊東洋経済が、交互に数年来、この手の危機説を喧伝して売れています。
新聞や雑誌、それに商業放送を好きでない(稼ぎの場を与えられていない)メディア研究家やIT関係者が、既存のメディアはすべて無料になるから、既存の新聞・TVはすべてつぶれてネットメディアになる、という言説を流して収入としています。
この手の週刊誌特集を買うのは新聞関係者が多いようです(私も含めて)。
ある地方紙社長は「何か参考になることが書いてあるかと買い続けてきたが、もう買うのは止す」
「なにも参考にならぬから」と地方新聞協議会の2月度例会でスピーチされていました。
断末魔が早く来るのは、特徴のない週刊誌や雑誌のほうであることは、専門家なら既知のことです。
結論から先に述べますと、新聞やTVは生き残っていくでしょう。
なぜなら、新聞やTVは進化し続けるからです。
業界関係者及び読者・視聴者が進化を推し進め、進化を強力に促すから。
ただし、今のままでは生き残れません。
少し気になっていることは、雑誌があまりにも過大に新聞業界の苦境(?)を見出しで書きたてているので、読者やスポンサーをミス・リード(錯覚)させてしまうことです。
「大手新聞社は軒並み赤字転落!焦土からの再生は可能か」と黒字に黄色の見出し文字で、センセーショナルな引っ張り込みながら、本文を読んでみると、大手新聞社の冬のボーナスは「急減した冬のボーナスーそれでも高水準」他業界と比べれば給与水準の高さは際立っている。というリード文なのです。
事実、朝日新聞116万円(41歳)、北海道新聞112万円(40歳)、読売新聞60万円(30歳)、日経新聞93万円(30歳)などが目を引きます。
実は大手新聞社の、広告減による赤字は給与水準の高さを是正すれば、すぐに解消されます。
新聞TVは苦境にあるという、消耗戦下における敵の宣伝戦略は、インターネットの急速な普及という現実のもとで、非常に説得力があり、ともすれば流されてしまいます。信じさせられてしまいます。
でも少し立ち止まってください。
「あすの朝刊をご覧ください。」「明日の新聞のチラシを見てください」というTV広告は何を意味しているのか。
日本におけるインターネットの本山である、ヤフー・ジャパンの大株主である、ソフトバンクは携帯電話の広告をなぜTVでするのか。