サブプライムショックの影響を受けて、対策に苦慮奔走していました。 どうにか弊社の3月決算も黒字化できましたので、誠に勝手ながら本来の使命である情報発信を再開させていただきます。
メルマガ休刊中にも多くの県、外国を訪問して知見を得ていました。全て書き記します。ご愛読ください。
今回は二つのことを記します。
第一番目は文章のこと。
「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」井上ひさしほか文学の蔵編
新潮文庫 540円
によれば、作文の秘訣を一言でいえば、
「自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書くということ」
だけなんですね。
これができたらプロ中のプロで、ノーベル賞に近いという。
「不幸にして、日本の作家、学者の人の中にー特に学者は相当多く、作家はさすがに少ないんですがーだれにでも書けることを、だれにもわからない文章で書いている人がいるんですね」
私たちは、しばし立ち止り、井上の言を傾聴する必要があるでしょう。
二つ目に井原隆一氏の言を紹介します。
「理想論批判に耳を傾けるな」―厳しい理想を抱け
理想とは実現可能なことである、と考えてしかるべきなのである。困難を先に考えれば空想論に終わるが、可能から発想すれば実現可能なことである。
「昭和38年にアメリカ旅行をした際、私は、アーカンソー州のリトルロックへ行き、同州の開拓計画を視察したことがある。
担当者が『最下位から二番目の貧乏州で未開地だが、いずれ、裏を流れている砂利川に日本の大型船が上がってくるようになる。そうなったら再び来てくれ』と言われた。『何年後になるのか』ときいてみたら、
『五十年先か、百年先かわからない。しかし、自分たちが退けば後輩が引き継いで開拓することになるので、いつかは完成する。人は変わっても、開拓された部分が元の未開拓地に戻ることはない。
そうなれば地価も値上がりするだろう。現在なら1ヘクタール(約1万㎡)20ドル(当時で7200円)で買えるから、記念に買っておいたらどうか』とマジメ顔で勧めてくれたが、50年先、100年先の一言だけでも、買う気にはなれなかった。
「われわれは、今にもローレン、ローレン(註・西部劇の主題歌の牛追いの掛け声)の鈴の音が聞こえてきそうな未開発地を見てきただけに、理想論として片づけていたからである。そこに住んでいる彼らは、実現可能と信じているのである。」
「最近同州の開拓も進んでいるだろうが、まだ20年もたっていないのである。」
(1992年アーカンソー出身のビル・クリントンが米国大統領となった。この本が出版されたのは1982年。)
理想の形を厳しく追い求めていこうではありませんか。