事実には3つあります。
1、(known knowns)良く知られていること。私たちも知っていることです。
2、(known unknowns)解明されていないと分かっていること。そこには何かあるが、まだ解明されていないということです。
3、(unknown unknowns)未だ解明されていないとさえ知られていないことがある。
つまり、解明されていないし、その存在自体を私たちが知らないこと。
サブ・プライム事件による世界金融パニックにも、3、の事実が隠されていることは無論のことです。
たびたび繰り返しますが、井上ひさし氏が喝破したように、良い文章とはA「誰も知らないことを、誰にでもわかる文章で書く」のです。
B「誰でも知っていることを、誰にも分らぬ難しい文章で書く」人が多いようです。
例「シリコンバレーでは~」「イギリスの二大政党政治は~」
「スウェーデンの社会保障は~」 電子書籍も、インターネット上のブログも、ツイッタ―も、現場を踏んだ記者の記事には及びもつきません。
現地を訪れること無しで、ネット上の情報を写していたり、記者会見に頼っていてはBの域に陥っています。
「兵法三十六計」は中国の古典です。古代中国の戦国時代(紀元前403年~紀元前221年)に生まれました。
企業間競争に打ち勝つための戦略と、油断ならぬ他国との戦争に打ち勝つための「兵法三十六計」は、あい通ずるものがあり興味深いです。
少しひも解き私の経験を踏まえて解説してみます。新規事業開発、発明・発見に役立つことを願っています。
「兵法三十六計」は文字通り、三十六のはかりごとにすぎません。
1、 借屍還魂(しゃくしかんこん) 古いアイデアを再び取り入れることで差別化を図り、競争優位を築く。
我々は、しばしば「新しいもの」と「今とは異なるもの」を混同し、
今と異なるものであるためには新しいものでなければならないと考えてしまう。
しかし、企業が競争優位を獲得するのは、斬新さ(新しいもの)によってではなく、
他社との差別化(異なるもの)によってである。もちろん、斬新な製品やサービスには、
強豪がそれを模倣しにくいといったような、斬新さならではのメリットもある。
だが、斬新さは、競争優位を築くための十分条件でもなければ、必要条件でもない。
競争優位を築くために必要なのは、他社と差別化されていることです。もし我々の相手が「新しく」なるために、
古いビジネスモデルやアイデア、技術を切り捨てれば、我々はそれらの捨て去られたビジネスモデル、
アイデア技術を再び取り入れることで差別化を図り、優位性を得るということも可能となる。