人と人の「つなぎ役」 − 田中美稔子さん


【「人生のテーマは、人と人をつなげていくことのような気がする」と話す田中会長=三重郡菰野町で】

 「親の役目は子どもにいろいろな情報を与えて、自分で選択させること」と話す。慈愛に満ちた表情は、とても穏やかで優しい。
 教員の母親、自営業の父親はともに仕事で忙しく、一人っ子でさみしい思いをしてきたこともあり、「自分は子育てを最優先しよう」と決めていた。
 25歳で長女を出産後、「子どものそばでできる仕事」として、自宅を改造して学習塾を始めた。「成績が上がる」と評判が高く、多いときには約100人の子どもたちを指導。「教えるというより、個性を伸ばすことを一番に考えていた」と振り返る。「自分に合った選択ができれば、子どもは自然と伸びる」
 長年、子どもたちと接するうちに「子どもの育ちは母親次第」と確信。「母親が心に余裕を持てる生き方ができれば、子どもにもいい影響を与える」と、女性の美と社会進出に向けて、エステサロンの開業を決意。資格を取得し、52歳で織詩を起業した。現在は、四日市市内に3店舗を持つ。
 これまで、子どもたちと母親の「つなぎ役」として取り組んできた。「私の人生のテーマは、人と人をつなげていくことのような気がする」とほほ笑む。
 命を「つなぐ」ことは、「食」につながる―。そんな思いから、このほど三重郡菰野町で、新しくメンバーズダイニングを始めた。「元気じゃないと心も沈む。心身ともに健康な体をつくるために、食べることは大切」と力強く語る。
 「今後は食を通じて、それぞれが自分の生き方を見つめ直すきっかけにつながれば」と目を輝かせた。

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