44年間、夫や会社支える − 日置淳子さん
【「一日一善を心がけている」と話す日置さん=四日市采女町の大扇で】
「仕事が楽しくて、休みの日でも事務所に座っていることが多い」と屈託のない笑顔を見せる。
23歳で結婚し、3年後に夫と二人三脚で起業。経理事務の経験を生かしながら、44年間「縁の下の力持ち」として、夫や会社を陰で支え続けてきた。
ゼロからのスタートだったが、「真面目で一生懸命な夫についていけば間違いはないと、不安はなかった」。夫の「誠実さは今も変わらない」と、当時も今も、仲むつまじい。
創業時は商品名も分からず電話応対も苦手だったが、勉強会への参加や異業種の人たちとの交流を深めることで、少しずつ知識と経験を重ねてきた。「うまく仕事が回せた時は達成感があるし、やりがいもある」と目を輝かせる。
心掛けていることは、一日一善。「困っている人は放っておけない」と温和で世話好きな性格がにじみ出る。会社が交通量の多い道路に面しているため、道に迷った人が訪ねてきたり、けがをした学生を助けたり、「仕事以外でもいろいろな出会いがある」
「喜んでもらえると自分もうれしいし、1日気持ちよく過ごせる」と穏やかにほほ笑む。
人を喜ばせることが好きで、2年ほど前から独学でマジックを始めた。持ちネタは現在約20種類。会合などの余興で披露する。「たまに失敗するが、それも面白い」と楽しそう。
「これからも、ささやかながら社会のために役立てることを積み重ねていきたい」と語った。