女性社員の活用に力 − 栗須百合香さん


【「ものづくりは『人』」と話す栗須代表取締役社長=鈴鹿市桜島町の三重工熱で】

 「若い頃、人生の中で『自分が社長になる』なんて、予想もしてなかった。想定外」と笑顔を見せる。
 三重工熱は、大手電機メーカーの電機機器を製造している。平成23年、父親の後継者として2代目社長に就任した。
 入社したのは平成6年。営業活動で、さまざまな人と関わるうちに、やりがいを見いだすようになった。10年前に父親が大病を患ったことも「自分が頑張らなければ」と、やる気に拍車をかけるきっかけになった。
 社長となり、はや3年。「仕事にも慣れ、やっと自分らしさを出せる余裕が出てきた」と話す。「女性の力ってやわじゃないから、やるときはやるし、結果もきちんと出してくる」と女性社員の活用に力を入れ、今年は組織改編で女性部長2人、課長4人を誕生させた。従業員約300人のうち、女性が4割を占める。
 もともと父親の代から、女性だけでなく高齢者や障害者雇用にも積極的に取り組んできた。「高齢者の経験や知恵、女性の持つ細やかさなどが会社にとって心強い存在。それがうちの財産」と話す。「細かい作業も多く、人の手じゃないとできない部分も多い。やはり、物作りは『人』」と従業員への信頼は厚い。
 製造分野での女性社長はまだ少なく、大変なことも多いが、その経験も前向きに生かし、「どう女性が参加していくか。固定観念を取っ払って頑張っていきたい」とやる気をみなぎらせた。

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