「多様性認める社会を」 − 柏木はるみさん
【「常にベストを尽くして生きることが大切」と話す柏木さん=津市西丸之内の津リージョンプラザで】
「どこにいても私は私」と確固たる信念を持ち、自分らしく生きる。その凛(りん)とした生き方が美しい。「性別にとらわれず、多様性を認める社会をつくることが、みんなの幸せにつながる」と熱く語る。
3人きょうだいの長女として、東京都で育った。もともと活発な性格で、「今しかできないことにチャレンジしたい」と、日本航空の客室乗務員経験もある。世界各国の文化や意識の違いをじかに感じる中で、自然と物事を幅広い視点で捉える感性が培われた。
中でも、最後の乗務便でハイジャック事件に遭遇したことは、人生観を大きく変えた。「いつ何が起こるか分からない。常にベストを尽くして生きることが大切」と話す。
24歳の時、結婚を機に来県。専業主婦として育児に専念する中で、「女らしさ、男らしさ」といった固定的性別役割分担意識による生きづらさを感じる機会が増えていった。
社会の構造を変えたい―。その思いから、平成元年に女性の生き方を考える市民活動団体「津アイリス」を設立。これまでに津市議、県男女共同参画センター所長など、幅広く活躍してきた。現在は21世紀職業財団の県駐在代表として、働く女性の活躍支援などにあたるほか、内閣府の男女共同参画会議基本問題・影響調査専門調査会委員なども務める。どの仕事も覚悟を持って精いっぱい取り組んできた。
「次の世代が生きやすい社会をつくっていくことが私たちの責任」と、さらなるやる気をみなぎらせた。