海女文化、観光振興に尽力 − 野村薫さん
【「これからもチャレンジ精神を持ち続けていきたい」と話す野村専務=鳥羽市相差町で】
「常に念頭にあるのは『雇用と生きがいの創出』と『次世代の担い手育成』について」と熱く語る。
観光振興に関わるようになったきっかけは、子育てが一段落し、鳥羽市観光協会職員として働き始めたことだった。約10年前、義母が海女をしていたことから、米国人観光客を「海女小屋でもてなしてほしい」と頼まれた。この交流が好評で、「海女と直接交流できる場をつくることが『海女文化の伝承と海女の生きがい』になる」と考え、海女小屋体験を事業化。建設業を営む夫の一弘さん(53)とともに、兵吉屋を立ち上げた。
以降、伊勢県民センター文化振興専門員、人権擁護委員を経て、現在は鳥羽市男女共同参画審議会副会長などを務め、幅広い視野から海女文化や伊勢志摩の観光振興に尽力している。
伊勢志摩の魅力について、「食材が新鮮。あと、生き生きしている人が多いので、みんなを元気にしてくれる。おいしいものを食べて、パワーももらえる」と話す。
ほかにも、近年パワースポットとして有名な「石神さん」のお守りを、地域の人たちと共に手作りし、地元での経済循環と雇用の役割を担っている。
「これだと思ったら突き進むタイプ」と笑う。行動力と実行力は子どもの頃から変わらない。
「これからもチャレンジ精神を持ち続けていきたい」と、生き生きとした笑顔を見せた。