役に立てることが幸せ − 加藤一子さん
【「人の喜びが自分の喜び」と話す加藤代表取締役=四日市市富田の有限会社たましんで】
「人のために役立てることが幸せ。人の喜びを自分の喜びのように感じるの」と、柔和なまなざしを向ける。
これまでに県内外で250組以上の縁談を成立させてきた。「根っからの世話好きね」と笑う。見せてもらった何冊ものアルバムの中には、満面の笑顔で幸せそうに並ぶ新郎新婦たちの姿があふれている。中には、県内政財界で現在も活躍中の人たちの姿も数多くあり、その人脈の広さに驚かされる。「ボランティアで損得がないからこそ、冷静に2人を見極めて薦められる」と成功率の高さの秘訣(ひけつ)を明かす。
7人きょうだいの4番目に長女として生まれ育ち、子どもの頃から面倒見がよかった。10年間ほど、民生委員を務めた経験もある。
伊勢市出身で、真珠が身近な環境にあったことから、昭和60年に真珠や宝石、絵画の卸売販売会社「たましん」を開業。平成10年には四日市市富田1丁目に店舗を構えた。「人のために何かしたい」との思いはここでも生かされ、利益を「未来を担う子どもたちに」と、市立富田小学校へ図書の寄付をするなど、さまざまな取り組みをしてきた。
自身の夫婦関係が円満なことで、他人も良縁に導くことができる。日々の活動にまい進できるのは、夫の修三さん(77)の理解と支えがあるから。「夫のことは尊敬しているし、いつも感謝しているわね」と、常に相手を思いやる気持ちを忘れない。
「これからも、人に喜んでもらえることをやっていきたいわ」と穏やかな笑みを浮かべた。