原点は男女平等定める憲法 − 土川禮子さん
【「男女共同参画をライフワークに、生涯現役でいきたい」と話す土川副会長=津市高茶屋の井村屋グループ株式会社で】
「私の原点は、中学で習った憲法なの」と穏やかな口調で話しだす。男女平等の条項に「これからは男性も女性も同じように勉強できるんだ」と、未来への希望を持ったのだという。
4人きょうだいの長女として育った。戦前から戦後の混乱期。物資不足の時代だったため、4人で力を合わせながら家事を分担し、父母を支えた。「父の『分け隔てなく誰とでも仲良くしなければいけないよ』という子どもの頃からの教えが、男女共同参画への意識の根底にあるのかも」と自身を分析する。
大学卒業後は家庭科の教師として、子どもたちに「生活の仕方」を指導。「料理や裁縫の上手下手ではなく、それらを通じて生活に生かせる授業がしたかったの」と独自の視点で取り組み、女性の育児と仕事の両立の難しさも経験を踏まえ、「家庭でも男性の協力が必要」と教えてきた。
ほかにも、これまでに県生活文化部女性政策審議監や津市教育委員長などを歴任し、さまざまな形で女性の社会進出を支援してきた。現在は、鈴鹿市男女共同参画審議会会長や井村屋製菓株式会社監査役などを務め、幅広く活躍している。
県の現状を「分かってくれる人たちが増えてきて、やっとスタートラインに立てた感じ」と話し、「これからも男女共同参画をライフワークに、生涯現役でいきたいわね」とほほ笑んだ。