私は、経済産業省勤務時代、留学をしてはどうかと先輩からアドバイスをいただき、同期入省メンバーの大半も留学していたのに、そのチャンスを生かさなかったことを、後悔する時があります。現在お仕事をさせていただく中、「もっと英語が話せたら三重県のPRをできたのに」「もっと○○という国のことを知っていれば一層仲良くなれたのに」と思う時があります。
三重県の子どもたちに、私と同じような悔しい思いをさせたくないと思います。どんどん世界とつながる機会を積極的に持ってほしい。
G7伊勢志摩サミット、県内高校生が活躍してくれたG7ジュニアサミットや国際地学オリンピックなど、県内で国際交流ができる機会を増やすべく、関係者の皆様と一緒に努力してきました。高校生の海外留学や短期研修に行く生徒が、G7伊勢志摩サミット前の350人(平成27年)から476人(平成29年)となったことは、本当にうれしく思っています。
来年は、「平成」から新しい時代に。G7伊勢志摩サミットの際、三重県に最も長く滞在してくれたカナダのトルドー首相は、今年初めに、「今ほど変化のペースが速い時代は過去になかった。だが今後、今ほど変化が遅い時代も二度とこないだろう」と述べました。
新しい時代がどんな時代になろうとも、三重県の子どもたちが、自己肯定感を持ちながら人生を確かに歩んでいってほしい。そうなるよう私たち大人も全力を尽くします。
試練(雲)があっても、努力して乗り越えていけば、その先に必ず良い結果(青い空)がある、という意味も持つ「雲外蒼天(うんがいそうてん)」。新しい時代に向け、この言葉を本コラム最終回に、三重県の子どもたちに贈りたいと思います。(終わり)