想定外の部分でも検出 鈴鹿青少年センターのアスベスト 三重県議会常任委

【アスベスト検出の報告を受ける教育警察常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は5日、政策企画雇用経済観光、防災県土整備企業、教育警察の常任委員会を開いた。県教委は改修中の県立鈴鹿青少年センター(鈴鹿市住吉町)で、想定していなかった部分からも有害物質のアスベストが検出されたと報告した。11月に提出する一般会計補正予算案に撤去費を盛り込む予定。「飛散の可能性がある場所ではなく、人体への影響はなかった」としている。

 <教育警察=山内道明委員長(8人)>
県教委は当初から屋根や天井での検出を想定していたが、床の接着剤や煙突の断熱材、壁に吹き付けた塗料の下地にも使われていることが、改修工事の契約後に施工業者が実施した調査で発覚した。

このため、新たに数1千万円の撤去費が必要となる見込み。民間活力を生かすPFI方式でセンターを運営する「鈴鹿フォレストパートナーズ」との契約書に定めた「リスク分担」に基づき、県が負担する。

センターは昭和60年に供用を開始。研修や宿泊の施設を備え、合宿やキャンプなどに使われてきた。来年4月1日のリニューアルオープンを目指し、今年4月から改修工事を進めている。

売り上げが3割増 三重テラスのリニューアルで

<政策企画雇用経済観光=芳野正英委員長(8人)>
雇用経済部は首都圏営業拠点「三重テラス」(東京都中央区)のリニューアルオープンから3日間の売り上げが、前年同期比で3割増となったと報告した。リニューアルによる効果とみている。

県によると、オープンした16日から18日までのショップとレストランの売り上げは、前年同期比32%(63万円)増の約259万円。来館者数は6305人で26%(1306人)増加した。

三谷哲央委員(新政みえ、8期、桑名市・桑名郡)は「店内が明るくなった」と評価しつつ「2階部分も広く使ってもらうべき」と指摘。「見える数字が必要」とし、売り上げの目標を設けるよう求めた。

雇用経済部は2階部分について「柔軟に利用してもらえるようにしたい」と説明。「来館者の利用状況によって効果を把握したい」などと述べ、売り上げを目標に設定することには慎重な姿勢を示した。

操作習熟度に差 県防災情報システム

<防災県土整備企業=石垣智矢委員長(7人)>
防災対策部は先月8日に県庁で実施した総合図上訓練の実施結果を報告。市町の被害状況などを集約する「県防災情報システム」の操作について、職員間の習熟度に差があることなどを課題に挙げた。

県によると、訓練は線状降水帯の発生を想定して実施し、関係機関の職員らを含む436人が参加。新設したオペレーションルームを活用し、情報共有や対策の立案など、初動対応の手順を確認した。

県は常任委で「夜間の降雨を見据えて市町に避難情報の発令を促すことができた」「オペレーションルームを常設したことで、迅速に対応を始めることができた」などと、訓練の成果を報告した。

一方、市町に派遣された県職員の一部で被害状況を報告する作業が遅れた。システムの操作に不慣れだったことが理由といい、県は「研修の回数を増やすなどしてシステムの習熟度を向上させる」としている。