障害者虐待の報告書紛失 三重県、誤って廃棄か

【記者会見で公文書の紛失を発表する池田課長(右)ら=県庁で】

三重県は5日、障害者虐待に関する20件の公文書を紛失したと発表した。虐待を受けた障害者の個人情報が含まれていたとみられる。「外部への流出は確認されず、誤って廃棄した可能性が高い」としている。

県によると、紛失したのは平成25年度から同27年度までに発生した障害者虐待の報告書など。公文書管理条例の規程に基づき、令和6年度末から同7年度末にかけての保管が義務付けられていた。

報告書には、障害者施設で虐待を受けた利用者や虐待をした職員の氏名や生年月日、虐待の内容などが書かれていたとみられる。報告書に書かれていた利用者や職員の人数は分かっていないという。

先月11日付の公文書開示請求をきっかけに発覚。執務室や地下倉庫などを探したが、5日現在も見つかっていない。過去にファイルから取り出し、別のファイルに戻した後に廃棄したとみられる。

障がい福祉課の池田和也課長は記者会見で「関係者におわびする。特に重要な書類を紛失したことを非常に重く受け止めている」と陳謝。「今後はファイルから文書を抜き出さないことにする」と述べた。

一見勝之知事に紛失を報告したのは今月4日。紛失が発覚してから公表までに1カ月間を要した理由について、池田課長は「探すのに時間がかかっていた。速やかに紛失と判断して報告すべきだった」と述べた。