【伊勢】三重県伊勢市の伊勢市駅周辺で開催される「伊勢まつり」で、祭り初日の7日に披露される宮後祭心会の「宮後ねぶた」が完成した。今年は、疫病を鎮めるとされる神「牛頭天王(ごずてんのう)」をモチーフにしたねぶたがお目見えする。
宮後ねぶたは、同市宮後地区の住民有志らでつくる同会が、祭りを盛り上げようと昭和62年に始まった。毎年、世相を反映した神仏や伝説を題材に、極彩色の華やかなねぶたを制作。市街地を威勢良く練り歩き、祭りの目玉の一つとなっている。祭りは今年、台風やコロナ禍の中止、縮小を経て、5年ぶりの本格開催となり、ねぶたは、令和元年以来、新作が制作された。
全長6メートル、幅5メートル、高さ4メートル。疫病を鎮め災いを防ぐとされる「牛頭天王」をモチーフに、斧を手にした勇壮で力強い神を表現した。5月から同会が中心となって制作に着手。地区の子どもからお年寄りまで、延べ約百人が作業に参加し、先月末に完成した。
毎年デザインを担当する同会OBで画家の中村仁志さん(63)は「コロナなどの疫病を鎮め、平穏な世の中になってほしい」と思いを込めた。「見どころは、夜の部最後のエンヤ引き。多くの人に見てもらい、久しぶりの祭りを楽しんでほしい」と話している。
昼の部は午前10時に養草寺を出発、夜は午後5時15分に外宮前を出発し、一帯を練り歩く。