【度会郡】国土交通省は、水辺を生かして地域のにぎわい創出を目指す取り組みを推進する「かわまちづくり支援制度」に、三重県の玉城町の「かわまちづくり計画」を登録した。県内では2例目。玉城町役場でこのほど、登録証伝達式があり、国土交通省中部地方整備局の佐藤寿延局長が辻村修一町長に登録証を手渡した。
同町は、対象河川となる宮川の沿川に分布する歴史的資源の連続性を確保するとともに、宮川の持つ魅力について情報発信を実施。令和4年にかわまちづくり協議会を発足し、川とまちが融合したまちづくりを進めている。
計画では、令和元年に町と国土交通省が連携し、地域に親しまれる水辺空間となるように宮川近くに整備された既存施設「たまき水辺の楽校」(同町昼田)を活用して新たな交流拠点を創出し、地域活性化につなげるために整備を行う。
水辺の楽校の面積は約2万7千平方メートル。芝生広場やせせらぎ水路、散策路などを備え、宮川の強い水の流れをはねのけるために明治時代に築かれた石積みの堤「百間バネ」も敷地内に残した。現在は地元の小学校が観察会を行ったり、県内外からキャンプを楽しむ人が訪れたり、さまざまなイベントを開いたりして多くの人に親しまれている。
本年度から設計を始め、令和12年度に完成予定。親水護岸や河川管理用通路、船着き場、駐車場、トイレなどを整備するとともに、官民連携によるイベント開催や日常的な利活用の促進にも取り組んでいく。
伝達式には、三重河川国道事務所の時岡利和事務所長や、同協議会の委員長で皇學館大学教育開発センターの池山敦副センター長ら関係者7人が出席。佐藤局長は「皆さんと協力しながらかわまちづくりに取り組んでいきたい」、辻村町長は「地域の皆さんにも川に愛着を持って大切にしてもらう取り組みをやっていきたい」と話した。