▼ジャニーズ事務所問題が続いている。名乗り出た被害者の救済、タレントのCM契約の打ち切りによる取引停止ぐらいでは、解決には程遠い。「タレントには罪はない」とする擁護論もあるが、これに納得する世論はない
▼なぜなら、故ジャニー喜多川氏の小児性虐待(少年レイプ)は、現役タレントを含む周囲の容認、隠蔽(いんぺい)がなければ成立しなかったからだ。つまり個人犯罪ではなく組織犯罪である
▼また、テレビ局を含めメディアの事務所への「忖度(そんたく)」が指摘されているが、メディアは勝手に忖度したのではなく「癒着」「談合」し、事実を隠蔽した上に辞めたタレント、他事務所タレントを排除したので「独禁法違反」である
▼事務所会見もテレビ局声明も、「真摯(しんし)に受け止め」と「真摯」が多用されたが、その後の具体的行動が全く不十分
▼問題の本質的解決には、現役タレント及びメディアの「真摯」な告白が不可欠。これまで誰も真実を話していない。欧米では勇気ある「#ミートゥー」運動により、問題解明は進み、再発防止への法的整備も実現した。日本はなぜ不誠実がまかり通るのか。沈黙は解決にはならない。