▼ジャニーズ事務所の性加害問題など、最近、「第三者委員会」が注目されている。ジャニーズ事務所の第三者委員会は会社側が委員を直接指名したため、真相究明、責任追及は不可能という批判がある
▼第三者委員会は、不祥事を起こした企業や行政組織が、外部の専門家に委嘱して設置し、弁護士や会計士などがその任に当たる。しかし、真相究明どころか、実際は不祥事を起こした側の「禊(みそぎ)」のスキームになっている例が多い
▼第三者委員会は欧米発と思いがちだが、実はメイドイン・ジャパン。「とばし」が発覚して破綻した山一證券事件で設置された社内調査委員会が始まりだ。欧米ではオンブズマンのような組織はあっても第三委員会はない。日本弁護士連合会がガイドラインをまとめているが、ほとんど機能していない
▼東京五輪で招致委員会の不正がフランス検察当局に疑われた時、JOCは第三者委員会を設置したが、結論は「問題はなかった」
▼結局、メディアの徹底追及、不祥事に事件性があるなら警察の捜査が求められる。いまのままでは「第四者委員会」を設置しても真相解明は無理だろう。