▼4月に公表された「2070年、人口3割減8700万人」という予測(国立社会保障・人口問題研究所)が今も波紋を呼んでいる。3割減ではすまない。予測自体が甘すぎる。状況はもっと深刻というのだ
▼予測では、出生率はしばらく1・2台で低迷するが2023年を底に上昇して2029年に1・3に回復。2070年には1・36になるとしている。つまり、人口減少のペースが緩やかになるとの仮定だ。しかし、出産適齢期の女性人口の減少(少母化)、生涯未婚率などは考慮されていない
▼さらに、総人口に占める外国人の割合が2020年の2・2%から10・8%に増えるとしている。移民政策がどうなるかにかかわらず、世界有数の賃金安の国に労働移民が今後も来るだろうか?
▼社人研の人口推計は、毎回のように実績値を下回っている。推計が年金財政の検証に使われるため「政府に都合がいいように操作している」との指摘がある
▼岸田内閣は来月に取りまとめる「骨太の方針」に、異次元の少子化対策を盛り込む予定だ。果たしてどんな政策が打ち出されるのか?注目である。