連合三重は30日、春闘の方針を発表した。「人への投資を起点とした経済の好循環が必要」とし、賃上げ要求の目標を月給で前年より3千円多い1万3500円以上と設定した。月給の5%に相当し、28年ぶりの高水準となる。
連合三重によると、目標の内訳は賃金カーブ(定期昇給)の維持分が前年と同額の4500円、賃上げ水準(ベースアップ)は3千円高い9千円以上。ベースアップを要求するのは10年連続となる。
標準労働者(35歳、勤続17年)の賃金目安も前年より4千円高い27万4千円以上と設定。「地域ミニマム」と呼ばれる最低賃金の水準も、年齢ごとに2千円から3千円の範囲で引き上げた。
労働者約2万人に実施した賃金の調査結果などを踏まえ、27日の執行委員会で目標を決めた。「生産年齢人口が減少する中でも職場の基盤整備は重要」とし、長時間労働の是正や雇用の安定も掲げた。
番条喜芳会長は記者会見で「日本の賃金は非常に低位。物価上昇分を含めて上げないと、欧米に置いて行かれる」と指摘。労働者からは賃上げに大きな期待がある。粘り強く交渉してほしい」と述べた。
一方で「中小企業は物価の上昇分を製品などの価格に転嫁できていない」と指摘。「適正な価格で取引ができる仕組みを作ってもらえるよう、経済団体や行政などにしっかりと要請したい」と述べた。
連合三重は今回の方針に基づき、経営者団体や経済団体、行政などに要請活動を実施する予定。3月4日には「メッセウイング・みえ」(津市北河路町)で総決起集会を開き、この方針を確認する。