きょうから「川喜田石水」生誕200年記念展 津の石水博物館で 三重

【藤堂家から下賜された竹の花入(右端)を紹介する桐田学芸員=津市垂水の石水博物館で】

【津】三重県の伊勢商人川喜田家十四代当主、川喜田石水(1822―79年)を紹介する企画展「川喜田石水―商いを守り、文化をつなぐ」が28日から、津市垂水の石水博物館で開かれる。収蔵する資料や作品57点を展示し、同館の名の由来で、家業を守り文化や学業を支えた石水の足跡をたどる。4月2日まで。月曜休館。入館料一般500円。

石水の生誕200年を記念し企画。幕末から明治維新の激動期を堅実な経営で乗り切った当主としての一面と、当時の芸術を買い支えた文化人としての面の双方を紹介した。

家業の金銭の出入りを自ら細かく記録した帳面、明治維新後に藤堂家から下賜された千利休の花入「音曲」、浮世絵師や本草学者から購入した作品や図鑑などを展示。コインの収集仲間として親交があった松浦武四郎から送られた直筆の貨幣図録や手紙もある。

桐田貴史学芸員は「あらゆる意味でこの地域にとって重要な役割を果たした人。それが半泥子の活動に引き継がれている」と述べた。