▼昔RDF(ごみ固形燃料)爆発事故など、いわゆる〝北川県政負の遺産〟処理に追われる野呂昭彦知事(当時)に対し「危機に遭遇する家系」などと書いてひんしゅくを買った
▼父恭一氏は伊勢湾台風時の県議会議長で、自衛隊機と全日空機の衝突事故時の防衛政務次官。前者は知事外遊中、後者は大臣更迭で対応の実質責任者となった。リーダーの巡り合わせは県民にとっても人ごとではないという趣旨を加えたのが逆鱗(げきりん)に触れたのかも知れない
▼一見勝之知事は―。おっかなびっくりで言うと、新型コロナウイルスの感染とあまり相性はよくないのではないか。言う通りにすれば感染は防げると大見えを切った直後、第六波が始まった。6月29日には、感染拡大防止の県指針を改定。オミクロン株主流時は「警戒宣言」などを発令しないと決めた途端、感染者数が跳ね上がった。変異株「BA・5」が県内で初確認された
▼メカニズム不明のコロナの動きに知事は何の責任もないが、責任あるはずの説明責任の方もさっぱり分からない。「人流がコロナを増やしているわけではない」というが、では何が増やしているか、説明できなければ言い切れる言葉ではない
▼病床使用率、すなわち県が対応力に限界が見えたら宣言を出すというのも宣言の性格上どうか。「高齢者施設への対応が十分ではなかった」との反省も独りで合点している趣がある。何度も警戒を呼びかけたはずだが、抜かってばかりということか
▼これまで通りマスク会食や密の回避などを呼びかけるという。打つ手がないと言っているようでもある。