▼「敬老の日」というと、首長の高齢者訪問を取材した昔を思い出す。知事はじめ市町村長が判でも押すように高齢者の居宅を訪ね、談笑した。当時は69市町村長はもちろん、県は手分けし県民局長らも訪ねたのでとてもすべてをカバーできない。それでも紙面は似たような記事で埋まった
▼今年は櫻井義之亀山市長が市内最高齢を訪ねた記事だけ。こちらも年を取って見逃したか、形式的な行事はやめようと見直しのやり玉にでもあがったか。県のホームページには「高齢者訪問」「同顕彰」などで検索してもヒットしない。先のシステム改善で、こちらも切り捨てにあったのかもしれない
▼百歳以上の高齢者調査は続けられていて952人の過去最多。増加は一人で昨年度の75人に比べ大幅減だが、百歳を迎えたのは38人減から64人増。百歳にはなったものの生きづらくなっていると言ってはゲスの勘ぐりか
▼カナダ外遊から帰国したばかりの鈴木英敬知事は「老人の日」の前日の14日、小此木八郎国土強靱化担当相の「みえ防災・減災センター」視察に同行した。行政課題が増え高齢者訪問まではとてもとてもということだろう。県を通じて贈る首相内閣総理大臣からの祝状と記念品(銀杯)は誰が渡しているのか
▼純銀の銀杯が経費削減で昨年から半値の約3800円のメッキに変わった。メッキを知事に持たせられるかと、側近が気を回したのかもしれない。ハッピーマンデー制度で分断された「敬老の日」「老人の日」に、高齢者負担削減の底意が表れてきていると言ってはゲスの勘ぐりか。