2022年5月16日(月)

▼PTA組織の役員を女性に限定する性別規定について共同通信社が調査した。いわゆるLGBT問題での性別表記廃止運動の関連かと思ったが、少し性格が違うらしい。会長に男性が就くことが多く、役員が男性に独占されないため「女性規定」が設けられているという。女性会長を多く目にした体験からは意外な気がした

▼女性活躍社会実現の一環で、政界では女性議員の枠を設定するクオータ制導入が議論されている。PTAの場合は逆で、導入している制度の撤廃がトレンドという。日本PTA全国協議会は規定を撤廃し来年から適用。全国68都道府県・政令指定都市のうち、すでに撤廃と維持が同数の21組織。残りは撤廃を検討中

▼「子育ては家族全体で取り組む」「保護者の価値観の変化」などが撤廃の、「女性の意見が反映しにくくなる」が維持の理由で、子育て家庭の代表は母親という既成概念が背景にあるという。組織の中の女性の存在については森喜朗元首相の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」が女性蔑視発言として有名だが、実体験は逆で、女性が3分の2超の教育関係者らの会議でも発言ゼロが珍しくない。一人一人が雄弁であることを知る身にはいつも首をかしげさせられる

▼かつて学んだ女子生徒が3分の1の高校で、応援の練習でほとんど声を出さない女性が、男女別に分かれた本番では絶叫していた。森発言が飛び出す既成概念が男性、そして女性にも刷り込まれている社会では女性枠を外したり、設けたりのてんやわんやがあちこちで繰り広げられるに違いない。