2022年1月20日(木)

▼何か不思議なことが起これば、てんぐやかっぱ、狐狸の類いのせいとされたのは昔の話。今は「誤って廃棄した可能性」。「主任計量者」全員の個人情報などを保存したUSBメモリー2個を紛失した県の説明を聞き、そう思った

▼「探すと、見つからない」のは紛失物などについての経験則である。大半が、何かの折にひょいと出てきたりする。ここに置いたのかとすぐに思い出すこともあれば、なぜそこにあるのかさっぱり分からないこともある。遺失物保管所にはそうした忘れ物が大量にあり、中には骨つぼまであったと話題になっていた

▼USBメモリーが「誤って廃棄」ということの方がむしろ不思議。「紛失」も「事故」の一つだろうが、一つの重大事故の背後に29の軽微な事故があるというのはハインリッヒの法則。無数のヒヤリ体験や事なきを得た事例を重ね、とうとう大事なUSBメモリーがどこへ行ったか分からなくなったのではないか

▼担当者の「事務所から持ち出してはいない」という説明は、そこだけ記憶が確かということか。「廃棄の可能性」というのは、日ごろていねいに扱っていなかったということではないのか

▼コロナ禍で、個人情報を理由に情報公開の範囲を絞り込みつつある県の行いとも思えない。17日のまん延防止等重点措置の対策検討会議の意見交換も非公開。一見勝之知事は重点措置対象地域について「この場では控えたい」。で、翌18日には「24市町飲食店に時短要請」と明かし「飲食店に準備してもらうため」

▼「先手先手で対応したい」と知事は言うのだが。