2021年9月11日(土)

▼医療と介護の関係団体が連携して在宅医療と介護が一体となった体制を構築するため、県は事例検討会を年2回、外部に委託している。コロナ禍で昨年度は1回しか開かれなかったが、契約金額は前年度と同額

▼なぜ変更しなかったかの記録や決済の記録はない。契約通り履行されなかった可能性もあり、意思決定過程を明確にすべきというのが、包括外部監査の指摘だった。産科医対象の医療推進補助金では、要綱が定める「医師が減少する現状」も「急激に減少している」事実もない相対的医師多数区域に「多額の補助金を交付」しているとして「不当な補助金の支出といわざるを得ない」と断じている

▼津市の委託料詐取を審議した津地裁で、検察側は刈草を「廃棄物処理施設に搬入して処分すること」が市と業者との委託契約として、不法投棄した業者を「業務委託料名目に現金をだまし取ろうと考えた」と指摘した。年2回の契約を県と交わした業者も、1回しか事例検討会を開かなかったことは、県の対応によっては詐欺罪に問われかねない

▼対象外で補助金を受け取った産科医は、せいぜい補助金返還請求を起こされる程度か。問われるのは補助金適正化法違反容疑の県だが、事例検討会の担当部局もその疑いが。同じような容疑でも、監査委員の指摘か、検察の起訴かで問われる側が違ってくる

▼かつて県監査委は不適正執行した相手側も公表して「指示通り行動しただけ」と抗議された。以後担当部局名の公表にとどまる。行政が鉛筆をどうなめるかで市民、県民は塀の内にも、外にも転がると言われる理由。