▼入院調整中の新型コロナ感染患者について「広域的に実施しているため問題ない」と強調した鈴木英敬知事の言葉がまたもむなしく響く。県内で初めて、自宅療養者が死亡した
▼22日に軽症と診断され自宅療養を指示された50代の患者が2日後の朝、自宅で死亡していた。「23日に聞き取るべきだったが、対応が遅れた」と四日市市保健所。全国的に増えている入院調整中や自宅療養者の容体の急変を、まざまざとみせつける
▼県議会会派の「新政みえ」と自民党県連が相次いで県に緊急提言を申し入れ、自宅療養者用の「酸素ステーション」の設置を求めた。服部浩副知事は「すぐにというわけではないが、検討に掛かってている」とし、知事に特段の回答はない
▼「自宅療養者が安心して療養できる」とし「まん延防止等重点措置」適用とともにパルスオキシメーター(血中酸素濃度測定器)設置目標を1850個から2千個を追加するとしたが、医師が手軽に貸与する体制にはなっていなかったとみえる。増え続ける自宅療養者と医療とをどう結びけていくかは喫緊の課題。医療崩壊が現実になる
▼余談だが、新政みえの提言書を受け取ったのは服部副知事で、写真で見る限り舟橋裕幸代表がやや腰をかがめる。自民県連のは鈴木知事。腰をほぼ90度にして押し頂く格好。政治家と役人との意識の違いか。知事のいまの立場を物語っているようでもある
▼辞職日は「知事不在」が生じないよう知事選投開票日に合わせたという。コロナ禍の嵐の中、きょう知事選告示。過去のどの選挙より、静かに幕が開く。