▼「制限をかけることだけが対策ではない。状況を見極める必要がある」と鈴木英敬知事。おや、また面白いことを言い出した。手詰まり感も目につく中で、制限をかける以外の対策があるとでも。手をこまねくことの正当化でもあるまいが、心ここにあらざるのかもしれない
▼まん延防止等重点措置後の「リバウンド阻止重点期間」中に20人以上の感染者が出た6月25日に「対策をおろそかにして再び感染者が増加してはならない」と、翌日17人以上なら「厳しい措置を取らざるを得ない」と言った。県民の誰しもふに落ちる説明だ。翌日が2人で措置を見送ったことはうなずける
▼7月に2日連続17人を超えた時、17人ルールとは別の病床使用率を持ち出し「直ちに強い措置を講じる状況ではない」と言い出したあたりから、知事の説明と県民の理解はすれ違い出した。3日連続30人以上が続き、病床使用率が指標の「警戒レベル」を超えた7月30日は「段階に応じて対策を図る」
▼そして、いよいよ過去3番目の67人となった3日に「制限をかけることだけが対策ではない」。段階的に対策姿勢を白紙にした感がある。立つ鳥跡を濁さずのつもりかもしれない
▼津市の前葉泰幸市長が25日の知事との一対一対談で県にワクチンの大規模接種会場再開設を要望するという。ワクチンひっ迫で、このままでは目標達成が困難らしい。現在はむろん「9月以降も県内の供給量が少なくなる可能性は低い」と言ったのは知事だが「(対談が)できるのかどうか」(前葉市長)
▼立つ鳥が澄ます濁りは多い。