2021年6月26日(土)

▼恥ずかしながら県公安委員の人事についてほとんど無知だった。弁護士の委員が退任し、経済界から選任されることで、委員3人全員が経済界出身になるという。平成5年以降もそうだったが、12年からは弁護士や大学教授らも就任していたらしい

▼県公安委員会のホームページの「活動状況」欄に「定例会議開催概要」がある。県警各部の報告概要が記載され、委員の発言は皆無。誰がなっても同じということかもしれない

▼平成5年以前の話だが、委員ポストに行政枠もあり、争奪戦もあった。主戦場は承認権のある議会。県OBが握っていた枠に県警OBが入ろうとして県議同士のさや当てが、その時の議会のちょっとした焦点になって記事にした記憶はある

▼国家公安委員会も似たようなもので、警察の不祥事続きで警察庁長官の責任について公安委員会が判断することになった。同長官が先に辞表を出し「引責ではない」と断言した。公安委員会は判断を中止し「辞表を出すのは武士の切腹と同じ」と不問にしたのに驚いたが、そう言ったのがいわゆる新聞社枠の委員だったのに恥ずかしい思いがした

▼報道機関の政府審議会入りはとかく賛否両論がある。この時の公安委員枠については特に厳しい意見が相次いだ。それから9年後、人事院人事官のマスコミ枠が時の民主党政権の「報道機関指定の事実上の天下りポスト」批判で不同意となった。以来マスコミ界からの就任はない

▼公安委員の方は今も健在で、現ポストは安倍晋三前首相肝いりの人事とも言われた。人事院と警察庁の政権との距離を感じさせる。