▼令和2年度中の児童虐待相談が6年連続で過去最多を更新。実母は減ったが実父が増えたことについて、県子育て支援課は「コロナ禍で在宅勤務が増えていることが影響したと考えられる」
▼昨年8月の県総合教育会議で子ども・福祉部が「感染拡大に伴う外出自粛などで児童虐待のリスクが高まっていると言われている中、今のところ大きな増加は見られない」と報告し、委員らから「増えていないことが問題」「子どもたちが登校しない中、どう発見するかだ」などと指摘された。心機一転、発見に工夫をこらしたか
▼発表文では、しかし、自宅勤務増の影響そのものが触れられていない。「地域社会の関心の高まり」(平成28年度)「情報共有申合せ書を警察と締結」(29年度)「虐待死報道」(29年度)「目撃した家族の通告」(令和元年度)など、その都度、社会や時代との関係を説明してきたこれまでと比べ違和感はある
▼思えば、総合教育会議でどう発表し、どんな指摘を受けたかも現時点でははっきりしない。議事録は概要版として「県で増加していないのは、登校していないので発見が困難な状態にあるのでは。いかに発見していくのかが課題」などの「主な意見」があったというだけ。具体的やりとりは分からない
▼同会議は要綱で「終了後、遅滞なく議事録を作成し、公表する」と定めている。が、その通り実行したのは2年間だけで、28年度以降の5年間は「概要」だけ。「概要も議事録である」と言い出すのかもしれない。認識不足が曖昧になり、子ども・福祉部は大歓迎だろう。