2021年4月10日(土)

▼パブリックコメントの締め切り前日ということに意味があるのかどうか。伊勢市の鈴木健一市長が県議会の選挙区及び定数に関する正副議長案に対し、物申した。同市選挙区(定数4)と鳥羽市同(同1)を合区とすることに「違和感がある」というのである

▼「市町間の広域行政においては伊勢度会圏での運営が中心」と説く。鳥羽市とでは地域事情、住民意識としてなじまないということらしい。合区に反対ではなく、合区となる相手に問題があるということか。市町村合併でもよく問題になった課題ではある

▼平成17年の合併で、伊勢市も度会郡9町村はもちろん、鳥羽市、志摩郡四町を含む伊勢志摩大合併構想が取りざたされたが、結局度会郡の中で特に歴史的な結びつきの強い二見町、小俣町、御薗村との合併にとどまった。同郡はそれぞれで合併、独立を選択し、現度会郡4町を構成している

▼鳥羽市は志摩郡4町との協議を進めたが、志摩郡4町の合併が優先され、孤立する形になった。伊勢志摩とは言われても、鳥羽市は地形的に伊勢、志摩両市から孤立している。1人区で続いてきた理由であり、有識者の選挙区・定数調査会が指摘した1人区回避を実行するには、どちらと合区しても違和感は出そうだ

▼亀山市選挙区の1人区が解消されないことが、鳥羽市側に飛び火しているのかもしれない。岡本栄伊賀市長は定数減に苦情を申し入れた。定数、選挙区とも理屈で割り切るのが難しい問題ではある。議論を尽くすのは当然だが、実施までに余裕があり過ぎるのも混乱のもとなのは議会の慣例ではある。