▼鈴木英敬三重県知事は4日のぶら下がり会見で緊急警戒宣言の延長を表明し、それに伴う営業時短要請の扱いは「(新型コロナウイルス感染症対策本部本部員会議の)あす説明したい」。翌5日、時短要請は予定通り7日に解除することを決めた
▼会議前日に何もかも発表しては、会議の形骸化が問われるとでも思ったか。会議にも多少花を持たせようとしたか。延長自体はこれまでも示唆し「国の動きに同調するわけではない」と予防線を張った。で、発表では「愛知、岐阜両県で緊急事態宣言が延長されることなどを受けて」という。なんのこっちゃという気はする
▼時短要請解除は「多かった飲食の場での感染が減少してきた」からとして「飲食での警戒を緩めて良いと言っているわけではない」。迷走する舞台裏をうかがわせもし、はっきりしてくれと言いたくもならないか
▼宣言解除も選択肢だったが「春は人生の節目となる大事なシーズン。昨年のような苦しい春を二度と迎えたくはない」。正体不明のウイルスの恐怖に覆われたのは確かだが、昨年3月までの感染者は9人。今年は5日の1日だけで13人。4日ぶりの20人割れ
▼イベント休止や学校一斉休校など、国の矢継ぎ早の要請に振り回された昨春だった。同調圧力や自己抑制で県民活動が収縮していくのを見ているしかなかったことが知事の「苦しい昨春」か
▼中核病院で検診した友人が、県の死者は全国的に見ても増えている。会食は控えるよう医者からクギを刺された。感染まん延を迎えての今春。知事の苦しさはまだ昨春ほどではないということか。