2021年1月3日(日)

▼元日は前夜からのNHKテレビ「ゆく年くる年」をぼんやり見ながら除夜の鐘が鳴るのを待って初詣に出かける

▼去年今年貫く棒のごときもの(虚子)。今年は時間を遅らせ、神社には午前4時ころ。客は一人もいない。手水台にひしゃくはなく、鈴を鳴らす縄も取り払われていた。触らぬコロナにたたりなし

▼雑煮を食べながら本紙『知事・社長対談』を読む。「デジタル技術普及へ」「県推進局設置へ」「民間から人材」。コロナで唯一追い風になったのがデジタル、オンラインなど。「チャンスもみえた」(鈴木英敬知事)は言い得て妙。国もデジタル庁を設置したが、そもそもは平成28年閣議決定した第5期科学技術基本計画だろう

▼ソサイエティー1が狩猟社会で農耕、興業、情報化社会と続き、ソサイエティー5は仮想と現実の空間を融合し、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の未来社会―。情報化社会草創期の体験者としてはデジャブの心地。IT(情報技術)嫌いの森喜朗首相がIT社会実現を提唱した。経済の成長戦略だ

▼かつて電子県庁を牽引した北川正恭氏は幹部にパソコンを配り、ほこりまみれにした。納入業者の除籍登記に北川氏の名前があったり、外部から導入したトップが疑惑の中、辞職した。民活導入は官官接待や巨額なカラ出張をまん延させた

▼ゴルフ会員権の売買に奔走するなど嫌な目の県職員を多く見た。元東芝会長を県産業支援センター会長など重用した結末も不透明

▼県は反省や検証をそこそこに新しい模型づくりに取り組む。見かけは立派でも長く持たない。