2020年10月27日(火)

▼西村康稔経済再生担当相が来県して県人権センターを視察し、新型コロナウイルス感染者らへの差別や誹謗中傷に関する相談を国も「県(の同センター)のように土日祝日を含めて相談体制を充実させたい」と述べた

▼鈴木英敬知事が国の「偏見・差別とプライバシーに関するワーキンググループ」メンバーに就任して発言していることで視察地として選ばれたのだろう。9月の初会合ではSNSに虚偽の書き込みをした松阪市内の2人が書類送検されたことや人権センターへの相談内容、感染症対策条例の制定を目指していることなどを報告した

▼先進県と認められたに違いない。知事の〝広告塔効果〟がまたも発揮されたわけで、県にとっては賀すべしだが、知事と県執行部や県教委事務局などとの考え方、捉え方にしばしば違いが見られるのは周知の通り。いじめや差別など人権問題では特に差が著しい

▼障害者差別解消条例可決は一昨年6月。県教委の求人募集に「介助者なしに勤務ができる方」とあるとして障害者団体などから削除要求されたのはその4カ月後。さらに2カ月後は内定者に義務づけた身体検査書提出の削除も

▼人権センターの土日祝日体制を県生活環境部が打ち出したのは今年9月議会。感染症対策条例制定は県医療保険部所管で、相談体制記述を求められ同部長が「検討する」と答えたのは同じ議会の数日後。菅義偉首相に言わせれば縦割りの弊害か

▼LGBT条例案ではパートナップシップ協定を巡って知事が伊賀市長や議会から押しまくられる。見た目は大事だが、実を名に近づけることも。