▼県は発表内容についてタイミングということを考えないらしい。コロナ禍でも第二波襲来と観光振興策が重なって後退を余儀なくされたが、知事会見で「飲酒運転ゼロをめざす条例」の効果をアピールするのと同じ日に四日市市が交通死亡事故多発警報を発令した。お互い、効果を相殺し合っている気がしないか
▼条例施行から7年間で飲酒運転の事故件数が半減し、直近5年間平均の10万台当たり事故件数は全国で2番目に少なく、違反者のアルコール依存症受診率も向上し「県民や関係団体の努力」と鈴木英敬知事は胸を張る。一方で今年の死亡事故件数は1日現在で前年比2件増。一昨年累計でようやく前年比マイナスになったと思ったら昨年は増加
▼今年前半は前年比10人以上の増加で推移してコロナ禍の中、3月23日には交通死亡事故多発警報を発令したばかり。そのかいあってか、後半からは0~1、2件増で推移しているが、8月末までの死者数は全国ワースト12位で、増減数は同8位。「飲酒運転は根絶されていない。もう少し、しっかり啓発をしなければならない」(鈴木知事)ことは死亡事故の現状を見ると、飲酒運転根絶だけに対策を限定していいということにはならない
▼警報発令について、森智広四日市市長は「全県でも市内でも総事故、人身事故、負傷者は減っているのに、四日市の死者数だけ突出して増え」と語った。県とすれば、加えて「飲酒事故が減っているのに」となろうか
▼人身事故が一番多いのは市街地で市道だが、死亡事故は非市街地で県道。夜間発生。考えねばなるまい。