2020年9月2日(火)

▼運不運やツキなどは人間、その能力、努力とは別次元で存在するものに違いない。悲喜こもごも、人生いろいろの人間模様を描き出すが、リーダーの運不運は影響が大きく、戦国時代は誰に仕えるかで家運の盛衰が決まった

▼知事の任期中の運不運も県民としては人ごとではない。思えば北川正恭元知事は運が強かった。長期県政に飽いた時に登場し、前県政のウミと言えるカラ出張問題で職員を掌握した。野呂昭彦前知事は、大事故、大事件などの問題解決をする星の下に生まれた感が強い

▼就任早々のRDF(三重ごみ固形燃料)爆発事故や大矢知産廃問題。CWJ(サイバー・ウェイブ・ジャパン)経営問題、中部空港海上アクセス、フェロシルトなど、いわゆる北川県政の〝負の遺産〟処理に追われた。鈴木英敬知事も知事就任の経緯や二期八年の県政運営には運の強さを感じてきたが、新型コロナウイルス対策ではどうか

▼県は8月3日から始めた「緊急警戒宣言」を解除した。半月延長した末だが、国の緊急事態宣言が一カ月半だったから長かった気はしない。27日には「GoToイートキャンペーン」実施を国に要望。解除は既定路線にも見えた

▼緊急事態解除の時はいち早くGoToトラベル施策協賛のプレミアム券発行を決め、第二波の訪れで延期、次いで対象を県内に縮小した。順番が逆だった気はする。「緊急警戒宣言」解除の31日は新たに感染者が二ケタに上り、恐れていた特養でのクラスター(集団感染)が発生した

▼またも解除とタイミングを合わせるように襲来した新たな脅威である。