2020年5月16日(土)

▼津市近郊の運動公園で、1カ月ぶりにテニスボールの快音が響いていた。クラブハウス正面に、屋外施設の使用を15日解禁するという張り紙。前日までは5月6日まで閉鎖という通知の「6」の上に「31」と書いた薄い紙をはっていたが、今度は新調した張り紙。4月から運営を委託された指定管理者の意気込みが伝わってくる気がした

▼津市安濃中央総合公園内の各施設は、旧安濃町直営から平成27年、新津市の指定管理者制度適用となり、旧町の関係者らがそっくり別法人として独立したような特定非営利活動法人が受託していたが、5年目にして旧津市の運動施設をすべて受託していた津市体育施設運営管理共同事業体に取って代わられた

▼中核は愛知県が本拠の大手運営管理業者。かつて鈴鹿市の運動施設の指定管理で手腕を発揮し、市と市体育協会の連携で閉め出され、入札制度に戻されたのち落札したが、地元企業優先を掲げる議会の反対で宙に浮いてしまった企業である

▼安濃中央総合公園内施設の入札では、同事業体を構成してきた「三幸・三重県生涯スポーツ協会」の名で受託している。破格の安値が落札の決め手になったのか、というのは鈴鹿市の結果からの推定である

▼3月までの特定非営利活動法人の従業員は一部を除いてほとんどちりぢりになったというのは施設会員らのうわさ話だが、実態は知らない。「指定管理者になると、敗れた時の収拾が大変」だからと、津市スポーツ協会は、応募しないと言っていた。旧町の名残がまた一つ消えたかと、再開後の公園を複雑な思いで歩いた。