2020年3月4日(水)

▼一昨日病院に診断を求めた北勢地域の30代男性は、その4日前から発熱が始まった。会社で相談すると病院は行くなという。自宅で我慢していたが絶えられず病院を訪ねたらインフルエンザだった。行くなの指示は、新型コロナウイルスだったら大変だから様子を見ろということか。もう少し早く来てくれたら薬ですぐ楽になったのに、と関係者らがささやきあった

▼インフルエンザでの来院者は激減している。県のサーベイランス情報でも、休校数は2日まででゼロ。前年比14校減。学年閉鎖、学級閉鎖校はともに1校で同257校、459校減。全国も激減していて、県は2月末時点で定点当たり患者数は7・44人で全国10位だが、3月は5・71人とさらに減った

▼患者数、死者数ともインフルエンザの方が怖いウイルスだが、今年は新型コロナの猛威に道を譲ったか。新型コロナの予防法の呼びかけが結果的にインフル防御につながったか。それとも、少々のことでは病院の門をたたくことはしなくなったか。「難局から脱し、安心して暮らせる日常を取り戻せるようにする」と県議会冒頭で鈴木英敬知事

▼「学校で感染が拡大すれば地域に与える影響が極めて大きい」と県立校休校にも理解を求めたが、異例の対応が県民の不安を増大させたのも間違いはあるまい。マスクはいまだ品薄で消毒液の注文を2月末段階で卸業者は受け付けていない。公的機関の危機感の訴えがインフル防御となり、トイレットペーパー買い占めなどをあおったのかもしれない

▼プラスとマイナス、物事には両面がつきまとう。