2020年2月28日(金)

▼日本最初の厄除観音で知られる岡寺山継松寺(松阪市)の初午大祭が新型コロナウイルス対策で中止となった。柏木文雄住職は「つらい。涙が出そうな思い」

▼世が世なら悪疫退散を願う善男善女で常にも増して賑わったはずの大祭である。同寺はホームページに中止のお知らせを載せた。通常の祈とうはするが高齢者、妊婦や幼児、基礎疾患を持つ人の参拝は控え、マスク着用、手すりなどに触らず、周囲との間隔を空け、話さぬよう勧めている。厄除けは、悪いものが寄ってこぬよう防御すること。現代版厄除け祈とうと言える

▼政府の感染防止対策本部会合で安倍晋三首相が26日、突然2週間程度の大規模行事自粛を打ち出した。25日の政府基本方針に沿って対応を急いだ自治体も振り回されたのではないか。県では市町、民間が次々イベントなどの中止を打ち出したが、対策連絡会議を開いた県は基本方針の確認にとどまった

▼患者増に備えた医療体制の確認などはある意味、国と同様後手に回っていると言えなくはない。自粛の呼びかけは27日以降になるのか。3月下旬に予定した報道機関との会合をNTTは26日、中止にすると連絡してきた。3月中旬予定した県との会合の方は報道機関側から27日、中止を伝えた

▼県民の不安を取り除くことより国の指示を待つ姿勢がありはしないか。県教委はいち早く高校入試、卒業式を予定通り行う方針を決めた。お気楽の気がするが、日程重視の県教委らしくはある

▼「緊急の対応を行う可能性がある」という。国の方針が変わった場合ということか。