▼鈴鹿市と自販機と言えば昔、専門業者が脱税で追徴されたことがある。県は指名停止したが、庁舎内に自販機を設置していた市も、カードテレビや食堂を委託していた市の補助団体・鈴鹿中央病院も何の行動も起こさなかった
▼おかしいじゃないかという問い合わせにどう答えたか思い出せないが、いまだ入札と占有許可で天と地ほど市の収入が変わるダブルスタンダードを運用している市が「全部入札にすればいいという話ではない。売り上げが少ない場所での自販機設置は入札者がいないので、許可で対応する場合も」(本紙『まる見えリポート』)
▼めったにないケースを持ち出して全体を否定する。公務員特有のレトリックを当時も聞かされたことがかすかに脳裏に浮かぶ。そのうち業者は社名を変え、代表者を妹にしてしまったが、市議会議長経験者から昼食の誘いを受けたのはそれから間もなくのことだ
▼その妹が同席し、従業員のため経営を継続していかなければならないと泣きながら聞かされたのには、食事がのどに通らず閉口した。議長経験者が紙袋を差し出した。取り合わず外へ出たが、小走りに追いかけてきて言う。「大したもんじゃない。おカネじゃないんだ。商品券だから」
▼なーんだ、商品券ですか、と言うとでも思ったのかと帰り道、おかしかった。市職員が言を左右にした理由が分かった気もして憂うつになった。自販機業者と行政との関係は地味で目立たない。県関係施設に大量設置された時も、牛一頭分ぐらい贈ったと豪語する業者がいた
▼鈴鹿市は今も不透明さは維持しているようだ。